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症状が出てからでは遅い? 健康診断の結果からわかる我慢強い臓器「腎臓」のSOS

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皆さんは「腎臓」が、何をする臓器か想像できますか?
おしっこを作る場所、というイメージが強いかと思います。
しかし腎臓は、ただ単に体の中でいらなくなった老廃物や水分を排泄するだけの臓器ではありません。
腎臓には、心臓の約5倍、脳の約8倍の血液が流れていて、血液内のバランスをチェックするセンサーとして働き、さらには、体の恒常性を維持するという大事な役割があるのです。
それだけではありません。
血圧を調整したり、赤血球を作ったり、骨の発育に大切なビタミンDを作っているのも腎臓なのです。
昔から「肝腎要」という言葉にあるように、「肝臓と腎臓は人体の要である」と言われていることには納得ですね。

そんな人体の要である腎臓は、普段は存在を主張することなく、かなり地味な存在です。
実際に、コレステロールや血圧などに気をつかっていても、腎臓の数値を気にしている方は少ないのではないでしょうか。
しかし腎機能を維持することはとても重要です。
ただ、腎臓は、機能が低下しても、自覚症状として現れにくく、かなり悪化してからでなければ、症状は出現しません。
だからこそ、沈黙の臓器である腎臓の機能を普段の健診で気にしておく必要があります。

症状が現れにくいからこそ、早期発見には検査が重要

ここでは、腎臓に関わる検査項目と、その結果の見方をお伝えします。

腎機能障害の早期発見には尿検査

尿たんぱく検査

(−):腎臓は正常に働いています
(±)〜(+):健康な人でも激しい運動の後や、疲れているときに一時的にたんぱく尿が出てしまうことがありますが、念のため再検査をお勧めします。
(2+)(3+)(4+):腎臓に何らかの障害が起きている可能性があります。もう少し詳しい検査が必要です。

腎機能障害の進行度の確認には血液検査

健康診断の結果から、高血糖や高血圧に該当した場合、健康状態等を勘案しながら医師が必要と認めると、従来の検査項目に加え、血清クレアチニン検査を実施することになっています。

血清クレアチニン値

(男性)基準範囲:1.00以下 要注意:1.01-1.29 異常:1.30以上
(女性)基準範囲:0.70以下 要注意:0.71-0.99 異常:1.00以上
(単位:㎎/dL)

クレアチニン、とは筋肉を動かすと発生するもので、尿以外では体の外に排出されません。そのため、血液中のクレアチニン値が高いということは、腎臓の働きが悪くなっているということがわかります。

eGFR(推算糸球体濾過量)

基準範囲:60.0以上 要注意:45.0~59.9 異常:44.9以下
(単位:mL/分/1.73㎡)

eGFRは、腎臓が1分間のうちにどれくらいの血液をろ過しているかを表す値です。
つまり、腎臓がどれくらい働いているかを調べることができます。

腎機能が低下してから生じる症状

前述しましたが、腎臓は我慢強い臓器であり、自覚症状が現れにくいです。
自覚症状としては、腎機能が50%程度に低下したことから症状が出始めます。

腎機能低下初期の症状
・夜中に何度もトイレで目が覚める「夜間頻尿」
腎臓による尿の濃縮力が低下するため、夜間の尿量が増加してしまいます。
・血圧上昇
腎臓の働きが悪くなると、余分な水分や塩分が排泄できなくなり、血液量が増加することで、血圧が上がります。
・腎性貧血
腎臓では、エリスロポエチンという赤血球を作る指令を出すホルモンを作っています。腎機能の低下とともに、十分なエリスロポエチンを作り出すことができず、食事で鉄分などの栄養を摂取していても、赤血球が作られなくなります
・むくみ/倦怠感
尿への代謝物の排泄が低下することで、体内が酸性になります。体内の電解質のバランスが崩れ、ナトリウムが体内に過剰になると、体液量が増加してむくみが生じます。

日常生活で気をつけること

腎臓は細かい血管が集合しているので、糖尿病や高血圧、脂質異常症などの血管を傷つけてしまいやすい病気は予防しなければなりません。

・たんぱく質と塩分に気をつける
腎臓を守るために、食事で特に気をつけるのは「たんぱく質」と「塩分」です。
たんぱく質を多くとりすぎると、腎臓からしか排泄されないクレアチニン等が多くなってしまい、腎臓への大きな負担になります。
たんぱく質は魚や肉だけではなく、ご飯、パン、芋類、果物、野菜などにも含まれています。
何気なく食べている食品に、たんぱく質が多く含まれている可能性があります。
たとえば、食事を購入する際に商品の裏にある成分表示などで確認する場合は、1食あたりのたんぱく質が15~20g程度になるようにしましょう。
腎臓の機能が落ちていると、ナトリウムを排泄する能力が落ちていますので、食塩は控えましょう。
特に高血圧の方は、食塩の量には注意が必要です。

・運動
たんぱく尿が多量に出ていたり、安静の必要がある場合以外は、適度な運動が効果的です。
楽にできる有酸素運動(ウォーキング、ジョギング、サイクリング等)から始めたり、運動習慣がない方はまず、1日の歩行時間を10分増やしてみるなど、
まずは現在の活動量より少しでも増やすことを目標にしてみましょう

・禁煙
タバコといえば、「肺」と思う方も多いと思いますが、腎機能も低下させることがわかっています。
実際に、現喫煙者が禁煙により腎不全(腎機能がとても低下した状態)に至るリスクが軽減する可能性が示唆されています。
一口に禁煙といっても、そう簡単にできないのが現実だと思いますが、たばこをやめることで、腎臓を守ってあげることができます。
腎臓の健康のためにも、禁煙を強くお勧めします。